社会薬学研究室

RESEARCH
研究の取り組み

研究2.糖尿病患者の療養支援に関する個別化対応

薬局薬剤師による糖尿病患者の療養支援に関する個別化対応の介入試験
-協働的面談におけるアドヒアランスリスク推定ツールの活用-
(慶應義塾大学薬学部病院薬学講座との共同研究)

服薬アドヒアランスには患者の自己効力感や病識(疾患の認知および治療の必要性の理解)などが関係することが知られていますが、医療者がそうした患者の内的要因を把握することは容易ではありません。そこで、簡便な質問票の回答結果に基づいて服薬アドヒアランスの良・不良を算出する回帰式モデルを開発し、介入支援ツールとしてプログラム化しました。医療者のスキルレベルに依存することなく、アドヒアランスリスクを数値化・可視化することが可能になるとともに、アドヒアランス不良の兆候がある場合には「要注意」と示されるため、介入支援ポイントの示唆を与えるものとなっています。

本研究の協力薬剤師には、研究概要および実施手順の説明とともに、協働的面接が実践できるように「薬剤師のための動機づけ面接法」の研修を予め受けていただいています。患者の行動が変わるためには、指示、強制、警告のような外的な動機づけは有効ではありません。医療者としてどのように対応すれば患者の内的な動機を引き出して行動変容を促すことができるのか、行動変容に必要な3要素(医療者への信頼、治療の必要性の納得、実行の自信)を中心に学ぶ研修です。現在約60軒の薬局において、薬剤師による療養支援の効果(介入期間:6ヶ月~12ヶ月)を調べる試験が進められています(UMIN登録番号:000031668)。

(学会発表)
富永佳子、青森達、早川智久、井澤美苗、望月眞弓. (口頭)
糖尿病患者の治療行動における アドヒアランス関連因子に関する研究-内的要因としての病識に着目した探索的検討-.日本薬学会第138年会、2018年(金沢).

Tominaga Y, Aomori T, Hayakawa T, Isawa M, Mochizuki M. (Poster)Study protocol: personalized intervention with a tool predicting poor adherence of diabetic patients.78th FIP World Congress of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences. 2018 (Glasgow, U.K.)

富永佳子、青森達、早川智久、井澤美苗、望月眞弓.(口頭)
糖尿病患者の服薬アドヒアランス不良リスク推定モデルの作成と介入支援ツールの構築-患者への個別化対応実践のために-. 第7回日本くすりと糖尿病学会、2018年(名古屋).

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