そうだ、薬用植物園へ行こう
今回は新津キャンパスに設置されている薬用植物園を紹介します。
そもそも薬用植物って何?
薬用植物とはハーブや漢方薬、生薬など「薬」として用いる植物薬用のことを言います。
「漢方薬=中国の薬」と思われがちですが、遣唐使が中国から持ち込んだ中国医学を、その後長い年月をかけて日本で独自に発展させたのが漢方医学でそこで使われる薬が漢方薬です。よって、漢方薬≠中国の薬です。
漢方薬は複数の生薬を配合したもので、例えば葛根湯は、葛根、甘草、麻黄、生姜、大棗、桂皮、芍薬を処方します。生薬にはそれぞれに薬効があり、漢方処方として配合すると新たに発揮する効果もあります。薬用植物園には漢方処方の元になる生薬の基原植物が多く植栽してあります。
四季折々の顔
季節ごとに様々な植物が園を彩ります。園内には主な植物にはフラワーラベルが立ててあり、その植物の生薬名や薬としての効果について説明が書いてあります。
春先になると、レンギョウ、サンシュユという植物が花を咲かせます。レンギョウの果実は、抗菌活性や化膿性疾患に対して薬能があり、荊芥連翹湯(蓄膿症、慢性鼻炎などの症状に用いられる)、防風通聖散(むくみや便秘の改善などの効果がある)などの漢方処方に配合されます。サンシュユは早春に黄色い小さな花をたくさん咲かせますが、秋になると真っ赤な果実をたわわに実らせ、この果肉は、八味地黄丸などに配合され滋養強壮、強精作用があり、最近はアンチエージング作用があるともいわれています。
レンギョウの花
スイカじゃないよ!食べたら大変コロシントウリ
夏になると、薬草コーナーにはあちこちにコロシントウリのつるが伸びてその先に大きなもので15センチくらいの果実をつけます。スイカと勘違いして持って帰って食べてしまいそうですが、食べたら大変なことになります。すごく苦く、かつ、強い瀉下作用(下剤)があり、食べると腹痛を起こします。コロシントウリは北アフリカ原産で、実を「コロシント実」といい下剤に用いられます。
スイカにそっくりなコロシントウリの果実(9月下旬)
白い花を咲かせるムラサキ?
ムラサキの花(6月初旬)
6月初旬に小さな真っ白い花を咲かせているムラサキという植物があります。名前がムラサキなのに白い花?と思われるかもしれませんが、掘り上げてみると根が紫色をしていて根の表面に紫色色素が付着しています。この色素はシコニンといって、肉芽形成(傷が治る過程で出来る新しい組織)促進作用があり特に外傷を治す作用があります。ムラサキの根は生薬「シコン(紫根)」であり、漢方薬の代表的な軟膏剤である紫雲膏の配合生薬になります。紫雲膏は江戸時代の医師華岡青洲が考案した軟膏剤で特にやけどに効果があり、全国の多くの薬科大学ではこの紫雲膏を学生実習で作成しています。新潟薬科大学でも学生実習で紫雲膏を作成しており、実験中にやけどをしたときには患部に塗ってその効果を実感してもらいます。やけど以外にしもやけやあかぎれなどにも効果があります。
サラシナショウマの花(10月初旬)
10月になると、多くの植物が花を終わらせますが、遠くからもひときわ目立つ白いブラシのような花を咲かせるサラシナショウマという植物があります。この植物は根を生薬名「ショウマ(升麻)」といって、発汗・解熱作用があり、補中益気湯や乙字湯などの漢方処方に配合されます。サラシナショウマは晒菜升麻と書き、元々は若芽を茹でで水にさらして山菜として食べていたことからそのような名前がついています。植物の名前というのは由来を表すこともあり興味深いです。
サラシナショウマの花(10月初旬)
化粧品になる成分をもつ植物も
クマコケモモという植物がもつアルブチンという成分には、皮膚のシミの原因となるメラニンの合成を阻害します。もともとクマコケモモはその小葉が「ウワウルシ」という生薬名で尿路感染症に使用される日本薬局方にも収載されている薬用植物ですが、美白化粧品にも利用される側面もあります。
クマコケモモの小さな花(5月中旬)
オープンキャンパスで薬用植物園を見学することが出来ます!
今年7月のオープンキャンパスで新潟薬科大学の薬用植物園を公開します。ここで書ききれなかったことも当日、薬用植物園でお話いたします。是非薬用植物園にお越しください。
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