YAKUDAI WALK 薬大再発見コラム

覚えて安心!誰でもカンタン!家庭でできる熱中症判断

医療技術学部
2022/08/25

夏も終わりに近づいていますが、まだまだ暑い日が続いていますね。
新潟薬科大学のある新潟市秋葉区は、「本日、新潟県で一番暑い場所」なんていわれるときもあったりもします。

今回は、日常生活で知っているととっても役に立つ「熱中症判断」について紹介したいと思います。

熱中症とは

熱中症とは、体温が上がり、体内の水分や塩分のバランスが崩れて、自分で体温の調節が機能しなくなることでの『体温上昇』『めまい』『頭痛』『けいれん』などの症状が引き起こされる病気です。

通常は、暑くなると汗をかいて、体温を下げるように体が働くのですが、とても暑かったり、湿気が多くて、汗をかきにくい状況が続くと引き起こされます。

最悪の場合は亡くなってしまうケースもあるため決して軽視してはいけません。

また、熱中症は、日が照っている暑い屋外にいるときに発症するだけではなく、室内にいても知らず知らずのうちに熱中症になってしまうケースも増えてきています。

熱中症のサインと判断

熱中症では、めまい、だるさ、吐き気、筋肉のけいれん(こむらがえり)、汗のかき方がおかしいなどの症状が出ますが、できれば、具合が悪くなる前に、熱中症になりそうだなと分かる方がひどくならずにすみますよね。では、どうすれば熱中症かどうか判断できるのでしょうか?

 

ズバリ!「尿の色の濃さ」なんです!

 

 

尿の色の濃さで、脱水症状(体の中の水分がなくなっていること)が分かります。
普段から自分の尿の黄色の濃さを見ておくことは大切です。

では、どんな時に熱中症かも?と判断できるのでしょうか?

まず、尿は、ほとんどは黄色をしています。

尿は、簡単にいうと血液をろ過したものなんです。
この尿の黄色の正体ですが、血液中の赤血球(酸素と栄養を運ぶ、赤くて丸い細胞)が壊れたものなのです。

もう少し詳しく説明すると、赤血球の中にあるヘモグロビンが壊れてビリルビンができ、腸内にある腸内細菌によって、ウロビリノーゲン(黄色)に変化して、それが尿中にでるので、黄色になります。

余談ですが…

うんちが茶色いのも尿と同じビリルビンが原因なんです。

しかしながら、飲んでいるお薬などによって尿の色が変わる場合もありますので注意が必要です。

尿の色が明らかに濃いなと思ったときは、体内の水分が少なくなってきていて、ウロビリノーゲンが濃くなってきているということなので、熱中症に注意しましょうというサインになります。

熱中症かなと思ったら!

もし熱中症かも?と思ったときは、水分、塩分をとることが大切です。

水分といっても、紅茶、コーヒー、緑茶はカフェインが含まれているため、利尿作用を持っているのでかえって水分が出て行ってしまうのでお勧めしません。

 

水、麦茶(カフェインは入っていません)や、カフェインレスのものを飲むことをお勧めします。

なによりも、こまめな水分・塩分補給、適度な温度管理をしてもらうことで快適に暑い夏を乗り切ることができると思います。

 

みなさまも熱中症に気を付けて暑い夏を乗り切ってください。

今回も最後までご覧いただきありがとうございました。

この記事を書いた人

中川 沙織

新学部設置準備室(臨床検査部会)