YAKUDAI WALK 薬大再発見コラム

AI(人工知能)と臨床検査技師の未来―なくなる仕事、残る仕事―

医療技術学部
2022/09/27

AIと臨床検査技師の未来

みなさん、こんにちは!
今回は、臨床検査技師という職業の将来像について説明したいと思います。
AI(人工知能)が台頭し、人間の仕事が奪われるのでは」という不安を抱えている人も多いのではないでしょうか。

 

2013年に、オックスフォード大学で近い将来無くなるかもしれない仕事の調査をしました。それによると、臨床検査技師の仕事がなくなる確率は90%だそうです(702職種中533位)。
このような数字を見ると「臨床検査技師をめざすのはやめたほうがいいかな?」といった不安を感じますよね。

でも、実はアメリカの臨床検査技師は日本の臨床検査技師とは異なり生理検査や採血業務は職務上行うことはできません。

それに、この調査で「超音波検査士」という職種が別に上がっていて、こちらは35%の確率で無くなるとなっており、無くなる確率より残る確率が高いと出ています。
この超音波検査というのが「エコー検査」で、日本では臨床検査技師が行っています。
つまり、日本の臨床検査技師の仕事が全てAIに取って代わられるわけではないということです。

 

AIにできない仕事とは

「AIにできない仕事」にはどんな仕事があるでしょうか?それは、”ヒト”に対する検査です。

そのお話をする前に、まずは日本の臨床検査技師の仕事を分類してみましょう。
〇検体検査:患者さんから取り出した材料(血液や尿などの検体)で行う検査
〇生理検査:患者さんの体に直接触れて行う検査

『心電図検査 ・超音波(エコー)検査 ・呼吸機能検査 ・脳波検査 ・神経検査』など

検体検査の一番最初「検体の採取」は、まだAIにはできません。

採血や膿の検体採取は臨床検査技師が出来ます。生理検査においても、検査自体はヒトに直接触れる検査ですのでまだAIにはできませんが、心電図結果や画像の解析は機械的に行うことが得意なAIに軍配があがります。

臨床検査技師の未来

このように”ヒト”に対する検査はやはり臨床検査技師にしかできないのです。

ですが、AIは採取された検体の測定やデータ解析は得意なので、それぞれの得意分野を生かして仲良くやっていけば患者さんにとってよりよい医療が提供できます。

また、検査って患者さんにとっては負荷のかかるたいへんなことです。

針を刺されたり、機械を装着したり・・・そのようなときに臨床検査技師が患者さんの検査に関する疑問や悩みを聞いて、それに対して十分な検査の説明をすることで、患者さんは安心して検査を受けることができます。
そのような”コミュニケーション”を用いて患者さんに寄り添うことはAIにはできません。

医療は”ヒト”と”ヒト”との繋がりがたいへん大事です。

ですので、臨床検査技師は決してAIに取って代わられる仕事ではありません。

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この記事を書いた人

継田雅美

新学部設置準備室 臨床検査部会