YAKUDAI WALK 薬大再発見コラム

新しい命の誕生を見守り、女性の一生に寄り添い支える「母性看護学」

看護学部
2024/04/13

みなさんこんにちは!
看護学部 母性看護学領域の諸𣘺麻紀です。
今回は「母性看護学」についてお話したいと思います。

母性看護学とは???

「母性看護学」は、リプロダクティブヘルス/ライツの理念をもとに、妊娠・分娩・産褥・新生児の、身体的、心理的変化と特徴、新しい家族を迎える人々に対する看護支援、そして、母子を取り巻く社会的課題についてなど、幅広く学びます。
また、思春期、成熟期、更年期にある女性の健康課題や問題に対する、ウイメンズヘルスの視点からのアプローチについても学びます。

 

科目は、1年生での専門基礎科目の学びを土台に、2年生の「母性看護学概論」で、リプロダクティブヘルス/ライツ(性と生殖の健康と権利)の理念を基盤に据え、看護の対象と看護の役割を理解し、看護実践に必要な基礎的な能力について学ぶことからスタートします。

続いて、「女性の疾患と治療」で、女性のライフステージにおける産婦人科疾患の病態・診断・治療の最新の知識、妊娠・分娩・産褥・新生児の基礎を踏まえ産科疾患の病態・診断・治療を学びます。

また、「母性看護学実践論」で、妊娠・分娩・産褥・新生児期にある対象について、身体的・心理的・社会的変化、家族の機能と発達と、健康状態を評価し健康を保持するための看護支援、新しい家族を迎える人々に対する看護支援について考えます。

3年生になると、「母性看護技術演習」で、妊娠・分娩・産褥各期にある女性と新生児の看護を実践するために、母性看護に特有な看護技術と共に、健康問題を分析し解決に導く思考過程を学びます。

これらの知識と技術を学んだあと、いよいよ実習になります。

日々の学びを臨床現場で深める”母性看護学実習”

本学の「母性看護学実習」では、病院での実習と子育て支援センターでの実習がそれぞれ1週間ずつあります。
今回は、病院実習ではどんなことを学ぶのかについてお話しします。

病院実習では、入院中の産後の母子を受け持ち、退院後の生活を見据えて、健康に子育てをしていくために必要な看護支援について学びます。

妊娠すると、お母さんの悩みは尽きません。

「仕事はいつまでできる?」
「運動やお出かけはしていい?」
「足がむくむ」

などといった、日常生活やトラブルについての疑問が多く、不安に感じている妊婦さんも多くいます。

出産後も、新しい家族が増えてうれしい反面、不安なこと、大変なこともたくさんあります。

「赤ちゃんのうんちが出ない、どうしよう…」
「おっぱいが足りないのでは?」
「泣いてばかりで大丈夫?」

など悩みはさまざまです。

また、今はインターネットなどで簡単に多くの情報が手に入る一方、何を信じればいいのか悩んで不安に感じてしまうこともあるようです。

さらに、家族の育児参加を促し、出産や育児の過程での役割を理解してもらうために、ママや赤ちゃんだけではなく、パパやおじいちゃんおばあちゃんといった家族に対し、看護師がどのようなアドバイスをすることで、家族全員が協力し合い、愛情を持って育児に取り組むことができ、より健やかな家庭環境が築かれるのかを学びます。

コロナ禍では、立ち会い分娩や里帰り分娩ができなくなり、退院しても赤ちゃんのお世話を手伝ってもらうことができず、孤独な育児を強いられたことなどが一因となり、産後うつにかかった人が増えたとみられます。
より一層、一番近くにいる看護職がお互い密接に連携して情報共有し、必要な支援は何かを共に考えサポートすることが重要となります。

時には、医師や薬剤師、医療ソーシャルワーカーなどのコメディカルスタッフ(医療従事者)も含め、医療職者全体がカンファレンスなどを通して情報共有を図る、といったチームでの取り組みが必要となります。

このようなチーム医療の、それぞれの専門職の役割や地域の連携についても学びます。

産婦さんの許可が出た場合は、出産に立ち会うこともあります。
産婦さんや立ち会っている家族、医師・助産師・看護師のそれぞれの役割を考えます。
陣痛に苦しみながら何時間もかけて新しい命を生み出し、元気な赤ちゃんの産声が分娩室に響きわたる瞬間は、とても感動的です。
出産の立ち合いができなくても、命の誕生の素晴らしさ、命の尊さを感じてほしいです。

また、タイミングが合えば外来の見学をする場合があります。
近年は、晩婚化や生殖医療の高度化に伴い、妊婦健診では様々なリスクやそれぞれの事情を抱えた妊産褥婦が増えています。
妊婦健診だけではなく、思春期相談、月経困難症、更年期障害、性感染症、不妊治療で受診する女性も多くいます。
外来では、それぞれの悩みや不安に応じて疑問や不安に答えるのも看護師の役割です。

看護師があらゆる健康課題や問題を持っている女性に対してどのように声をかけたり説明をしたりしているか、どのような支援をしているかを学びます。

このように「母性看護学」は、出産という人生における一大イベント、新しい命の誕生を見守るだけではなく、女性の一生に寄り添い支えるとてもやりがいのある看護学の分野です。

「母性看護学」に興味を持ち、学べる日を楽しみにしてほしいと願っています。

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この記事を書いた人

諸𣘺麻紀

新潟薬科大学 看護学部