YAKUDAI WALK 薬大再発見コラム

こんなときどうする!?『身近な大麻乱用誘い』断り方3選

薬学部
2023/07/28

みなさんこんにちは。
新潟薬科大学の城田です。

警察庁が発表した資料(※1)によると、大麻事犯による検挙人員は、年々増え続け、かつ、若年層の検挙人員の増加は顕著で深刻な状況が続いています。
出典 ※1:「令和3年における組織犯罪の情勢」(警察庁組織犯罪対策部、令和4年3月発行)

大麻使用によるリスクについては、こちらをご覧ください。

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「大麻を使用しない方が良いこれだけの理由」

また、大麻取締法違反(単純所持)の検挙者を対象とした調査(※1)によると、若年層ほど「自分から求めて」ではなく「誘われて」使用する割合が極めて高く、「友人や知人」が譲渡人となっているケースも多いと報告されています。

すなわち、譲渡人に身近な人が多いのであれば、誰にでも大麻乱用の誘いを受ける可能性があるため、決して他人事ではないのです。
そして、もし自身が大麻乱用の誘いを受けた時に断れなければ、自らが大麻乱用の当事者に陥ってしまうわけです。

そこで、今回は、身近な人からの大麻乱用の「誘い」の断り方を3パターンご紹介しようと思います。

断り方①:迷わず、ハッキリ、キッパリ断る!

まず1つ目として、「いらないよ!」とはっきりと断るという断り方です。
ここで注意して頂きたいのは、決して「迷わない」ということです。
迷っている間に、どんどん断りにくくなってしまいます。

 

また、「1回使用しただけでも乱用だよ!」と譲渡人に教えてあげるという断り方もあります。
これは、身近な人からの誘いであれば、少しハードルが高いようにも思えますが、ここまでして頂きたいというのが私の個人的な願いです。

この断り方で懸念されることは、誘っているのが身近な人である為、断った後にその身近な人との関係性が悪くなるのではないかという事です。
しかしながら、薬物を勧める人は、自身にとって「大切な人」であるのかと考えてみると、自ずと答えが出るように思います。

また、特に若年層による薬物乱用については、多くの場合、身近な環境が大きく影響しているとされています。

そのコミュニティに属している限り、薬物の誘いを受け続ける可能性があり、自身の人生に極めて深刻な影響があります。
したがって、そのような場合には、そのコミュニティとの距離を置くなどの対処をお勧めします。

断り方②:話題を変える!

2つ目の断り方は、「そういえばさ~」などと言って、話題を変えるという手法です。
これは、譲渡人である身近な人に直接言葉で断らなくてよい手法である為、薬物の誘いを断る自信のない方には特におすすめです。

また、この記事を読んでいただいている親切で常に周囲に気配りのできる読者の皆様は、身近な人やお世話になっている方から無理なお願いをされそうになった場合に、非常に断りづらい経験をされたことが少なからずあるのではないでしょうか?

このような場合でも「そういえばさ~」など話題を変えるという手法は有効で、この手法は、薬物の誘いだけではなく日常生活にも応用できる「魔法の言葉」です。是非ご利用ください。

なお、私も時々実際に日常生活において「話題を変える」という手法を用いて、無理なお願いを回避しております。

断り方③:その場から離れる!

最後に3つ目の断り方は、例えば、「今日は別の用事があるから帰るね!」など、物理的に「その場から離れる」、場合によっては「逃げる」という手法です。

これも、譲渡人である身近な人に直接言葉で断らなくてよい手法である為、薬物の誘いを断る自信のない方には特におすすめです。

しかしながら、身近な人と物理的に離れても、スマホを持っている限り、オンライン上では繋がっていますので、オンライン上で改めて誘いを受けた場合などは、「返信しない」などの対処も併せて必要です。

自身が薬物の誘いを受けた時に備えて、事前に断り方のパターンを複数考えておくことが大切

上述したように、誰にでも薬物の誘いを受ける可能性があります。
したがって、自身が薬物の誘いを受けた時に備えて断り方を事前に考えておくことが大切です。
また、必ずしも、事前に考えた断り方が自身の遭遇した状況に合っているとは限りませんので、断り方を複数パターン考えておくことや、上記3つの断り方を複数組み合わせたパターンも考えることをお勧めします。

例えば、「断り方②」×「断り方③」というように、2つの断り方を複数組み合わせた形で考えると以下のように対応ができます。

例)身近な人からの薬物の誘いに対して・・・
・断り方②:「そういえば、今日は用事があるのを忘れてた!」
・断り方③:「悪いけど、急がないと遅刻してしまうから帰るね!」(立ち去る)

という形でパターンを形成することが出来ます。

いずれにしても、是非一度断り方を検討していただく事を強くお勧めします。

身近な人から薬物の誘いを受けたら、断った上で、周囲への相談も大事

最後になりましたが、身近な人から薬物の誘いを受けたら、「断る」だけでなく、信頼できる周囲の方々への相談も大事です。

自身が未成年であれば、信頼できる大人に相談しましょう。

周囲に相談することが、薬物を勧めた身近な人への「裏切り行為」であると考えてしまうかもしれませんが、周囲に相談することが、むしろ、自身だけでなく、薬物を使用している身近な人を救うことにも繋がるのです。

もし、周囲に信頼できる大人が居なければ、各県に設置された精神保健福祉センターや保健所など公的な薬物乱用に関する相談窓口に相談することもお勧めです。
もちろん、このような公的機関では、秘密は厳守されます。

いずれにしても、薬物の誘いを回避できるよう日頃から準備しておくことは、自身の将来に大切な事だと考えます。

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【担当】
城田起郎 先生

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この記事を書いた人

城田 起郎

新潟薬科大学 薬学部