研究室紹介

食品・発酵工学研究室

発酵と高圧技術で新しい食品製造・加工技術を研究開発する

本研究室は、発酵技術と高圧技術とを2つの研究軸としています。マリアナ海溝の水深1万メートルの世界は大気圧の1000倍の水圧がかかる未知の世界です。それを超える圧力「超高圧」を食品や微生物にかけると、さまざまな不思議な変化が起こります。また、発酵は微生物のはたらきをうまく活用した食品製造技術です。私達の研究室では、そうした現象を科学的に調べて工学的に応用することで、新しい発酵食品の開発研究などを進めています。

研究概要

発酵は微生物の機能を利用した省エネルギー型の食品製造技術として発展してきました。発酵食品をつくりだす微生物や微生物群集のはたらきを研究したり、発酵技術と高圧技術を組合せることで、熱をかけずに微生物を殺菌し、生の風味や保存性に優れた日本酒の研究を進めています。高圧下で酵母細胞がどのように死滅するかのメカニズムを解明する基礎的な研究を進めながら、これを応用して世界で唯一の圧力技術を使ったスパークリングにごり生酒の試作品「AWANAMA(あわなま)」の開発にも成功しました。

教員紹介

重松 亨(シゲマツ トオル)
教授
学位:博士(農学)

マリアナ海溝の水深1万メートルの世界は大気圧の1000倍の水圧がかかる未知の世界です。それを超える圧力「超高圧」を食品や微生物にかけると、さまざまな不思議な変化が起こります。私達の研究室では、そうした現象を科学的に調べて工学的に応用することで、熱をかけずに微生物を死滅させ、食品が腐敗しにくくなる技術や、食品の持つ機能性をより高める技術の開発を目指しています。
現在の食品産業では、熱をかけない加工技術への関心が高まっています。生の風味を活かし、栄養成分を熱で壊さずに保存性を高める、こうした技術ができると食品の世界が劇的に進化するはずです。圧力はその鍵となる技術であり、未来の食品産業で必要となる、今はまだない技術をつくりだす体験が本研究室ではできます。将来食品産業で技術開発をやってみたい皆さんにも是非おすすめしたいです。
最近、私達の研究室では、世界で唯一の圧力技術を使ったスパークリングにごり生酒「AWANAMA(あわなま)」の開発に成功しました。まだ試作品の段階ですが、それでも新潟はもちろん、東京、パリ、香港の展示会でも大好評を得ています。高い圧力をかけることで、生酒のフレッシュな風味をもち保存性を高めた日本酒をつくって、どんどん輸出できるようになれば、日本酒業界に革命が起こるかもしれません。そうなることを夢見て、一生懸命研究を進めています。

先生からのメッセージ

現在の食品産業では、熱をかけない加工技術への関心が高まっています。生の風味を活かし、栄養成分を熱で壊さずに保存性を高める、こうした技術ができると食品の世界が劇的に進化するはずです。それを実現する上で、伝統的な発酵技術も、最新の高圧技術も重要なキーテクノロジーだと思います。未来の食品産業で必要となる、今はまだない技術をつくりだす体験が本研究室ではできます。将来食品産業で技術開発をやってみたい皆さんにも是非おすすめしたいです。

研究ホームページ