新潟薬科大学

薬学部 研究室紹介

薬品分析化学研究室

病気の早期発見に役立つ分析法の開発と医薬品や食品機能成分の作用の解明

生体内の微量物質を高感度に定量できる測定法の開発し、病気の早期発見に役立つ病態マーカーの発見を行っています。さらに、この測定法を用いて医薬品や食品機能成分の新しい作用を解明する研究を行っています。


研究概要

脂質異常症(高脂血症)は、中高年層に多く発症しており、将来的に動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞と重篤な健康被害をもたらす原因となるため、脂質異常症は治療だけではなく、食生活を含めた日々の生活習慣からの予防が非常に重要です。そのため、日々の食生活に気軽に取り入れることのできる食品成分中のコレステロール抑制物質を見出すことは、脂質異常症の予防に非常に有効であると考えています。
生体内コレステロールは、アセチルCoAから生体内で合成される経路(供給)、食餌由来で小腸コレステロールトランスポーターNPC1L1を介して吸収される経路(供給)と、胆汁酸などに代謝される経路(排泄)によって、コレステロール量が維持されています。
肝臓におけるコレステロール生合成経路は、アセチルCoAからメバロン酸などを経由し、ラノステロールができます。ラノステロールから下流は、ラソステロールあるいはデスモステロールを経由する2つの経路に分岐し、最終的にどちらの経路からもコレステロールが生合成されます。脂質異常症治療の9割を占めるスタチン系薬物は、このコレステロール合成経路上流のHMG- CoA還元酵素を阻害し、コレステロール濃度を低下させます。しかし、コレステロール生合成経路の下流を抑制する物質は少なく、コレステロール生合成経路の下流を抑制する成分は、既存のスタチン系薬物などと共に用いることで相乗効果が期待できます。
また、コレステロールは、オキシステロールを経て胆汁酸やステロイドホルモンに代謝されます。しかしながら、コレステロール代謝を促進する薬物は少なく、代謝促進物質の発見は、脂質異常症に大きく役立つと思われます。
当研究室では、コレステロールを中心とした、合成・吸収・代謝物の測定法を開発し、バイオマーカーとしての有用性や、新しい治療薬の発見、作用機序の解明に向けた研究を行っております。

教員紹介

中川 沙織(なかがわ さおり)
准教授
学位:博士(医学)

医療現場においては、分析法が確立されないと診断ができません。診断ができなければ、適切に治療を行うこともできません。新しい分析法を開発することで、診断や新しい薬物の発見につながればと思いながら日々、研究室のみなさんと研究を進めています。


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