新潟薬科大学

応用生命科学部 研究室紹介

食品ビジネス分野

食品安全システムを研究し、その普及に努める。

浦上は応用生命科学科も兼任しており、食中毒を微生物学の面から研究しています。安全な食品を作ることは、微生物や有害な化学物質から食品を保護することで達成できます。食品を安全でなくするものを排除すればよいのです。それにはどうした危険になるのかを分析し、科学的に正しい方法を開発することが必要です。正しい方法がわかればそれでOKかと言うと、必ずしもそうではありません。その方法通りに食品が製造されるとは限りません。失敗もあれば、手抜きもありうるのです。
HACCP(ハサップ)に代表される食品安全を守るシステムは、安全を確保できる方法を科学の目で選択することと、それを製造計画に組み込むだけでなく、それが確実に守れる仕組みを構築する、という2つの柱からなっています。前の部分はサイエンスであり、後の部分はマネージメントが重要になってきます。HACCPはアメリカがアポロ計画にあたって開発した手法で、いまでは食品安全の世界的な標準になっています。日本でも2020年から法制化され、すべての食品事業者に義務づけられます。

研究概要

HACCPは食品安全手法として、世界各国で法制化されていますが、日本での普及は遅れています。理由のひとつは、日本が食料輸入国であるため、相手国の規制に合わせてHACCPを導入する必要がなかったためです。しかしオリンピック開催国では、当然のこととしてHACCPが標準、義務となっていました。オリンピックをきっかけに、日本もHACCPを義務化することにしたのです。もう一つは、日本食の人気が外国でも高まり、輸出額が増加してきたことです。どんなに美味しいものを作っても、HACCPによる管理をしていないものは買ってもらえないのが、世界の常識です。日本もそれに合わせる必要が出てきたのです。
初めてHACCPを導入するには、戸惑うことが多くあります。製造計画、清掃手順などの文書化、製造や衛生管理の記録、製造方法が科学的に正しいことの立証などです。ここ数年は導入を考える食品企業とそれを支援する組織にHACCPを学ぼうという機運が高まっています。
HACCPに代表される失敗や事故で食品が安全でなくなることを防ぐ手法を「食品安全」といいます。それに加えて、冷凍食品に農薬が混入された事件のような悪意を持った汚染から食品を守る「食品防御」という手法も、アメリカでは義務化されてきました。日本の輸出企業もそれに合わせる必要があり、安全な食品を供給するためのハードルが高くなっています。食品安全の手法もこの10年で大きく進化し、それを日本で普及することも大切です。食品安全と食品防御を研究し、そういう企業の支援をすることが研究室の課題です。

HACCPの管理書類

食品企業の査察

教員紹介

浦上 弘(ウラカミ ヒロシ)
教授
理学博士

サイエンスとマネージメントの両方の性格を持つところが、HACCPの面白いところです。文系であっても、説得力を持つには論理的でなくてはなりません。サイエンスは極めて論理的で、その考え方を身に着けた上で実施するマネージメントは人を動かすことができると思っています。

伊藤 満敏(イトウ ミツトシ)
教授
博士(農学)

学部・大学院