研究室紹介
腫瘍生物学研究室
がんの浸潤・転移に学ぶ

本邦において悪性腫瘍(がん)は40年以上前から死因の第1位であり、毎年40万人近くががんで命を落とします。診断・治療技術の発展により罹患者全体の生存率は改善傾向にありますが、浸潤転移の激しい進行がんや、膵臓がんや胆道がんなどの難治がんに対してはいまだに有効な対処法が乏しい状況にあります。
腫瘍生物学研究室では悪性腫瘍の浸潤・転移に注目して生物学的な性状を解析し、より効果的な診断法や治療法の開発につながる知見を得ることを目的として研究を行っています。
研究概要
①悪性腫瘍におけるCrumbs3の機能解析:
これまでにCrumbs3(クラムス3、Crb3)という膜タンパク質を認識する抗体を開発しました。この抗体を使用した様々な解析を行い、Crb3が大腸がんの転移を促進する働きを持つことを初めて明らかにしました。がんの転移は予後を大きく悪化させる要因であり、Crb3がどのような作用機序で転移を促進するのかを突き止めることで、新たな診断法や治療法を考案するヒントになるのではないかと考えています。
②その他:Crb3以外にも新たな発見を模索しています。
